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彼は何になるのだろう?──「オタク・アイデンティティズ」を読んで思ったこと

今回はオタク論です。 ( ・`ω・´)キリッ

果ての向こう側通信」というサークルから「オタク・アイデンティティズ」という文芸同人誌みたいのが販売されていました。ZINEっていうのかな。フェミニズムに関する言及もあったことから、ちょっと感想を書きたいなぁと思って、、

この本は、9人の人がオタクというアイデンティティにまつわることを書いています。どういう人たちなのか把握してませんが、たぶん20代くらいなのかな~、、(適当)

電子書籍版が存在していたので、PDFをKindleに送って読んでみました。

目次

最初、『27歳、オタク自認』(灯さん)という寄稿から始まります。

1行目。「ドイツはフランクフルトで過ごした」という書き出し。オタクの話というから、秋葉原とかそういう話かと思いきやそうではない。福岡伸一さんの著書『生物と無生物のあいだ』の冒頭の「ヨークアベニュー、66丁目、ニューヨーク」を思い出してしまった。それはさておき。

ここで執筆者はオタクを自認しているとして、作品の内容やセリフの「知識」を頭に詰めてるという。「知識」や「考察」がオタクの裏付けとしている。

なるほど~。
この考え方を採用した場合、ボクはオタクから外れるかもしれない。
知識や考察に興味はないんですよね。。

次に『「オタク」として見られること、「オタク」をパフォーマンスすること』(みおさん)を読む。

この人はある社会的?な理由でオタクコミュニティを離脱している。その流れもあってオタクを自認しない、という。

この感覚はよくわかる。
ボクがオタクを自認しない理由と同じだ。

まぁ、ボクはオタクコミュニティとは相容れないとわかっていたので、「最初から離れていた」のだけど。

次は『オタクの彼方に』(友人Nさん)

この人の文章は面白くて、いかにもオタクっぽい文体だ。唐突に「鬼滅の刃」のキャラクターのセリフ引用が入ったり、オタクとは何かひたすら書いてるのがね。

どうやら「推し」の存在が重要な要素になっているみたい。
「推し」より他に考えたいことができたらオタクではないかも、と示唆しているから。

やっぱりボクはオタクから外れそうだ。「推し」はいないからさ。。

次は『「オタク」と「ファン」』(みなもさん)

オタクは「自虐の鎧」と表現している。

この解釈、同感です。

ボクは自分の好きなもの、好きな自分を、自虐する気にはなれない。ついでに言うと、自己評価も低くないし、自己肯定感も低くないし。

これはボクがオタクではない根拠になるだろうか。

友人N氏からのLINE』(みおさんと友人Nさん)

興味深い指摘をされてる。腐女子という表現について触れてる。現代的価値観としてこの表現どうなのか、ということだ。BL文化を好むことが、なんで「腐」なのか。考えさせられる。

オタクということば』(沖本なぎささん)

「オタクをしていて楽しいと思う時は同じ対象を好きな人とそのことについて情報を交換しあったり」…と書かれてる。

これはボクにはあてはまらない。同じ対象を好きな人とのコミュニケーションに意味を見いださないのです。

だから…たぶん、ボクはこの本を書いてる人たちとは、話が合わない、話に入り込めないと思う。

『オタクを名乗るフェミニストという戦略』(近藤銀河さん)

当サイトに直接関係してくる話題だ。まぁ買って欲しいのですが(笑)要点としては、匿名的集合的なオタク人格がヤバイので自分の居場所はなかったと。でもTwitterで安全そうな人をフォローするようにして、関係性を築けるようになったようだ。そこで安全な言葉を作っていくと。戦略的にオタクを名乗ってるという。

これはボクの「戦略」とはまっっっったく逆だ。
驚いた。
これほどまでに違うのか。

ボクは、Twitterに安全な居場所はなく、1ミリも期待してない。今日中に閉鎖して欲しい。ゲーマーゲート事件みたいのが多発してるだけだ。Qアノンの巣窟になって問題化したのも記憶に新しい。かといって安全な人だけをフォローするというのは、結局、「一様性」の始まりだ。多様性から離れてしまう。

そもそもオタクというは「一様性」を特徴とする。と思っている。しかも閉鎖的だったりする。
これこそボクがオタクと自認していない理由でもある。

書いてる人は、そうした悪しきオタク世界ではなく、安全な世界として取り戻したいのだろう。
ボクは0秒で諦めてる。

この本には、他にも百合論とか、いろいろ面白いことが書かれてるので、ぜひどこかで読んでみて欲しいと思います。

ここでまとめます。
バレバレと思いますが、テーマであるオタクのアイデンティティの話に興味がないんです。オタクではないから仕方ありません。だから内容そのものへの感想は書いてるようであまり書いてないです。

しかし結果的に、ボクとは距離感があるなという印象を抱くことによって──逆説的ですが、ボクのアイデンティティがどこにあるのかを再確認することができました。

ボクがオタクではない理由は何か?
なぜオタクの人たちのコミュニケーションに参加できないのか?

それは戦略が違うんだ、ってことです。。!

別の居場所を探さなきゃ。
中世のディアスポラのように。

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このエッセイを書いた人

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