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ほしいろといき
ほしいろといき

女体として自分がコンテンツ化してる気がしてしんどい。

私はマッチングアプリでの運がない。
徹底的にヤリモクに当たるし、慎重に3ヶ月メッセージのやり取りをして「この人は違うだろう」と思って会ったらヤリモクだった。
執念深すぎてドン引きする。
どこに精神使ってるねん。
これほどまで自分を「性的コンテンツ」「女体」として見られる経験は、マッチングアプリが台頭してくるまでは無かったように思う。
(露出狂に遭遇したりナンパに遭うことはあったが、そこまで【自分の性的コンテンツ化】は感じられなかった。)

服を着た時にその服が1番goodに見えるよう、身体のシルエットが1番綺麗に見えるように育乳なんぞをしたことがあったが、これが今とても難儀している。
「魅力的だから見ちゃう」というセリフが免罪符になるかのようにジロジロ見られるのだ。
なんなら相手はジロジロ見てることがバレてるなんて微塵も思ってないらしい。
バレないはずがない。
なんでそこ自信持ってんの??
いい加減我慢ならず指摘したら、上の発言である。
たとえ私が魅力的で彼にとってタイプな体型をしていたとしても、だからといって性的なニュアンスを持った視線で不躾に眺めて良いものではない。
この文脈では「褒めて有耶無耶にする」「ジロジロ見たことを正当化する(魅力的な方が悪い=責任転嫁)」が感じられる。

「魅力的だからナンパされたりしたでしょ?」と、あたかも「ナンパされる」=「外見が良い」=「褒めてる」の感覚で聞いてもこられた。
その質問を投げかけられた時、「褒め言葉として使ってるっぽいけど全然褒められてない、なんなら雑に扱われてる」と私は感じた。
何故ならそこにある「ナンパされることによって感じる恐怖」が無いものとされているからだ。
そのナンパを断っても、絶対暴言・暴力に晒されないのなら間違いなく私は放送禁止用語を口走ってブチギレているだろう。
それをしないのは何故か。
曖昧に笑って相手を刺激しないように断る、それがどれほどの恐怖を伴った女故の自衛・処世術なのか。
それが彼の脳内には微塵も存在してない。

「魅力的だから見ちゃう」
「魅力的だからナンパされたりしたでしょ?」

この発言主は「された側」がどんな気持ちになってるかなんて、恐怖や不快感を与えているだなんて自覚はない。
夢にも思ってない。
フェミニズムを知らないから。
フェミニズムの存在すら知らないから。
フェミニズムの存在すら知らなくても、己の性を生きていけるから。
私はそれが羨ましくてたまらない。

フェミニストと名乗る以上、私はミサンドリストであってはならないと自分にルールを課している。
人類の異性全てを嫌いにならないうちに早くフェミニズムが浸透してほしい。
バックラッシュや過渡期を経て、早く安心して好きな格好をしたい。
夜道が危ないからって帰りが遅くなるライブを諦めたりしたくない。
私の胸は、少なくとも私にとっては私のためだけにあると思って、余計な心配せずにリブニットを着たい。

私の身体は「女体」というコンテンツではない!!
冬になるとリブニットを引っ張り出しては自分の身体のために戦っている。

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このエッセイを書いた人

エッセイスト/ジェンダー、雇用問題、メンタルヘルス。身体が弱すぎて人間に向いていない。

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