昨年の6月あたりだったか、、
ニュースを見ていたらピンク色の髪をした少女が映った。
その人は、松本杏奈さん。
徳島県の私立高校を卒業し、アメリカの名門スタンフォード大学を受験し、見事合格した、というのだ。
輝かしい実績もない、英語力もそんなにない、お金もない、さらに「田舎」ゆえの格差もあるという、そんな状況から勉強して、夢をつかんだ。という華麗なるサクセスストーリー。
・・・に聞こえた。
これだけなら、
「ああ、よくいる人生の成功者かー」
で終わりですよね。
成功者ならたくさんいます。
たいして珍しくもありません。
今日も何かの分野で成功した人がどっかのニュースで報じられてます。
きっとこの人もその中の1人に過ぎません。
one of themです。
そう思う人もいるでしょう。
ボクも最初はそうでした。
しかし、どうも背景を調べたりしていると、よくいる人生の成功者ではないって気づきました。
スゲー頭いい超天才とかではないし、
スポーツで何とか賞をとったみたいな強烈な実績もないし、
英語力もそれほど高くはなかった、
お金もなく、、
むしろ近くにいてもおかしくない、身近な存在のように思えます。
そんな人が、勉強したとはいえ、いったいどうやって海外留学、それもスタントフォードに行けたんでしょう?って話です。
意味がわかりませんよね。
でも、できたんです。
だからこれは本当に画期的、イノベーションと言えるでしょう。
どうやったんだ??
気になりませんか?笑
具体的にどうやった?
具体的な方法をオシエテェェェ!
と思う人にオススメの本がでました。
ちょうどこないだ、松本杏奈さんの著書『田舎からスタンフォード大学に合格した私が身につけた 夢をつかむ力』が発売されました。
みんなが思ってる疑問を氷解させる内容になってました。
詳しくはここには書けないので、ぜひ買って読んでください(笑い
といってもアレなので、ボクが気になった点を少々。。
海外留学、アメリカの名門とくれば当然、難しい試験をどうするかが課題となります。自分が優秀な人材であることを示す必要あります。
松本さんは当初、特筆できる能力があるわけではないと考えていたそうです。科学と芸術は好きだけど、物凄い得意だったり「1位」といわれるものではなかったと。
こーゆー人って多くない?好きなものは多少あるし、この分野は少しはできるかもしれない。くらいはある。でも、それが「1位」と言えるかていうと、そうではなく、自分より上の人はたくさんいる、と。それを変に意識してしまう。競争になったら勝てない、と思うよね。
松本さんはどうしたか? 答えは簡単だった。
同じ「ものさし」で競争するのは諦めたのだ。
彼・彼女らとは競争はしない、と。
代わりにこうしたという。
しかし、 順位が付かない「ものさし」を自ら築き上げることさえ出来れば、そこには自分しかおらず、1位を目指すこともなくいつでも確固たる自分だけで戦うことができるのだ。(23ページ)
言ってることが永田カビさんと同じなのが面白いが、それはともかく。
これは経済学では常識的なことではあります。「競争に勝つには”競合率”を下げよ、自分だけの市場を作って独占せよ」といわれる。それを個人でやっている、ということです。
もっとも、これだけなら意識してる人は多いだろう。
悩むのは、順位が付かない「ものさし」って何ーー??ってことだよね。
それって他の人があまりやっていなかったりして、競合率の低い、そうである故の、強固な価値ってことかな、、そんなものって持っていたりするだろうか?
抽象論でわかっていても、ここから先に進めない人は多いと思う。
そこで松本さんはどうしたか?
何の分野でも「トップ」を取ったことのない私は、確かに強みのハッシュタグが1つもなかった。ではハッシュタグがないことをハッシュタグにすればいいのではないか。(41ページ)
!?
既存のものを私なりの方法で組み合わせることで、私が自分の目で見た問題点を、当事者目線から解決したかった。全ての構成要素を私にしかできないベクトルで融合させることが、私にしかできないことだと思った。(41ページ)
ある程度、得意なことを組み合わせること自体は考え方としてはよくある。それすら「その組み合わせ、他の人がもうやってる」と言われたりする。
ボクが、興味深いと思ったのは、その後の「全ての構成要素を私にしかできないベクトルで融合させる」のところ。
順位が付かない「ものさし」の作り方の答えってここだと思う。
「私にしかできない」とはオリジナルとでもいうのかな、ただ組み合わせる!というより、そのやり方に独自性を見出してるっていう感じか。
松本さんの場合は、マイノリティが淘汰されることを許容してきた社会についての言及があり、社会を変えたいと、生きづらさを感じる人の、セーフティネットになりたいって書かれてる。その視点からのアプローチによって、独自性を作るってことみたいなんです。
スゴイな…と思うと同時に、こうも思った。
なるほど、これは日本ではムリだ(笑)
これはムリだろ~(笑)
まぁーー大変難しいよね。
驚くべきことに、スタンフォード大学はこんな松本さんの訴えを受け入れると決定した。合格したのだった。
それ以外の…お金や英語力、田舎といった、諸問題についても触れている。松本さんは頭が早熟なのか、こういう問題に対してはどうすればいいか?ネットで調べたりして、こういう対策をしました、、というふうに個別具体的に解決している。いわゆる「問題解決能力」が相当高い人だとわかる。スキルや成績的な意味ではなく”地頭”が良いみたいだ。
要は今の時代、やり方を工夫すればもう少し上手く行けるぞってことですね。お金持ってれば全て決まっちゃう的なことを強調するマイケル・サンデル氏の主張を否定しているところがあって面白い(笑)
あと、松本さんが繰り返し書いてるのは、足をひっぱってくる周りの問題。
何かとそれはできない、それはできない、と反対してくる輩。
いるよねーいるよねー。
それをどうするかっていう、、
ボクが松本さんのエピソードを周りの知人に教えたら、その5秒後に「潰される…潰されますね、どうやってエリートのコネで生き残るか…それだけが全て。それで世の中は全て決まってる…」と即答されました。いやいや、オマエみたいな奴がいるからだろうがって話でさ。そんなの聞かされてたらメンタルがやられてしまう。
せっかくチャレンジする人が現れても、そうやって、すぐ嫉妬して、すぐにブロックしてくる。いい加減にしてほしいですよね。
この本、個別具体的な話はもちろん書かれているのだけど、「メンタルヘルスの本」にも解釈できる。終始一貫して、どうやって心の健康を維持するかってことに触れています。というよりそのために文章が何度も反復してます(笑)意図してか分からないが、メンタル本でもある。
海外留学に興味はなくとも、メンタル本として読むのもありですので、そういう意味でもぜひ、多くの人に読んでほしいなと思います。
──ところで、なぜこの本を当サイトで紹介したかにも触れておきますね。別にエンパワ的な意味だけで紹介したわけではありません。
日本の田舎から、女性がスタントフォード大学を目指すということが、いかに大変か。女性ゆえの社会的な構造があることは周知の通りです。男性とはまた別なわけ。
しかも松本さんは機械工学を志しているそうです。女性がそういう道に進むのは尚更!ハードルが高い。日本では周りがなかなか理解してくれなかったとか。
お分かりだろうか。そう。これはジェンダーの話でもあるんです。
そう考えてみると、かなり驚くべきことと思いませんか。
単なるキラキラ成功者ではないようなのです。
頭がいいとか、神スキルあるとか、金あるとか、ではない。
もしかして本当の意味での自分らしさを発揮する人がついに現れたってこと──!?
このご時世にそんなことってある──!?
これはボクの深読みではないかもしれない。
今年、2月21日、松本さんはこんなツイートをしている。
フェミニストへの誹謗中傷なんか許されない」という前提に嬉しいカルチャーショック受けてたけど、今日、匿名プラットフォームでのアンチフェミニスト活動が活発な理由についての論文を読んで、なんだ全然日本だけって訳では無いしこれは国というよりプラットフォームの問題だったのか、と落胆した
https://twitter.com/My_Liberty_/status/1495579179160457217日本でフェミニストですと言うと微妙な反応をされるし嫌悪感を抱かれる事が多かった。それがフェミニズムの定義を知った上での反応なのかは分からないけど、一応大学入ってからはある程度守られているので、パソコンにI AM A FEMINISTってステッカー貼ってる うるせ!個人の主張だーい!
https://twitter.com/My_Liberty_/status/1495579572544610305あとTwitterで今までこの単語出したことがなかったのは叩かれるのが怖かったから。
でもよく考えてみたら、私は別に男尊女卑を女尊男卑にしようとしている訳でもなく、ただ単純に啀み合いのない男女平等な素敵な社会を生きたいだけなので、もういいやと思ってツイートした
https://twitter.com/My_Liberty_/status/1495581065829765122
どうだろうか。当サイトを見ているようなジェンダーに関心ある人からすると、何か新しいことが始まる予感!がするはず。ボクはわくわくする!ね。
こんな時代のこんな社会で……
ここにきてまさかの超新星、登場──…!
今後の松本杏奈さんの活動に注目です!!