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ほしいろといき
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新卒の反撃

3月、大学を卒業した。
つい先日、社会人になった。

「社会人」

私がこれから出て行く「社会」には既にもうけっこううんざりしているところがある。でかく言ってしまえば現在の日本社会や未来にたくさんの不安がある。

性犯罪、パワハラセクハラ、ジェンダー平等について変わらない現状、良いとは言えない経済や給与水準、これから待っているかもしれない子育てと仕事との両立…..私にとって不安要素は溢れている。

大学でジェンダーやフェミニズムという概念と出会って以来、私は多くのことを知り、理不尽や課題だと思うことを言葉にしてきた方だ。

卒論だってジェンダー政策について書いたし、学生団体として発信活動もしてきた。多くのことを学び、小さいながらアクションを起こしてきた(と思っている)

さて、社会人になって、うんざりしている社会に対して、どんなふうに行動していけるだろうか。
もっともっと何かしたい。ずっと考えている。

毎日の仕事に忙殺されず、「社会を少しでも良くしたい」「より良い社会で暮らしたい」という純粋な気持ちを持ち続けられるだろうか。

社会のうんざりに加担する大人になってしまわないために、何ができるだろうか。何をすべきだろうか。

そんなふうに社会となりたい大人像みたいなことについてぼんやり考えている時に自分の背中を押してくれるような小説があった。

「社会に反撃する大人たち」の小説を紹介する。
これから社会人になることに不安を感じたり、社会の中で疲れてしまいそうな人がいたら、ぜひ読んでほしい。

(本の紹介がかなり私の主観によってしまいますがご了承ねがいます….)

『三十路の反撃』ソン・ウォンピョン (著)

「どんな大人になりたいか」「どんな風にどんな社会で生きたいか」「ほんとうにやりたいことは何か」

そんな質問を自分に投げかけることは何歳になっても必要で、素敵なことだと思う一方、大人にとっては結構きついのではないかと感じることもある。

社会経験も人生経験も少ない20代前半が何を、、と言われれば本当にそうなのだが、私は就活の時にそのしんどさを感じた。

大抵のしんどいことには目を瞑りたいし、毎日何かとやらなければならない仕事などで手一杯。
やり過ごしてしまっていることはよく分かっているから「本当にやりたいことは何か」
なんて聞かれたら正直しんどい。

この小説「三十路の反撃」は、人間のそんな部分にとことん向き合った小説だと思っている。

あまりネタバレしてしまうといけないのでAmazon のあらすじをなぞりつつ、内容を少し紹介する。

主人公のキムジヘは韓国で働く非正規職の女性。自分を平凡だと感じており、社会にも会社にもうんざりしていた。希望や期待を捨てて、毎日をやり過ごしているように見える。だが、一癖ある同僚との出会いをきっかけに、社会に小さな反撃を始めるようになるーー。

社会の中にどんよりと漂う行き場のない閉塞感や自分への期待感のなさにどうやって風穴を開けてゆくのか、純粋に楽しめた。

ハッとさせられる言葉や背中を押してくれる言葉もあった。

「舞台に上がらなければならないんです、今こそ。世の中っていうものはもともとそういうものです。誰かが行動しなければ、何も変わりません。」

アツくストレートだ。アツくストレートなことは社会では「若い、青くさい」とされがちだが、うんざりした社会に慣れてしまうよりは青くさくいたい。

改めて、「自分が行動して意味あるのか」とか「社会について考えることしんどい」と感じたことがある人にはぜひ読んでほしい。

社会人1年目、自分が何をしていきたいか、まだぼんやりしているけれど、ここで自分の感じる理不尽や問題意識を引き続き言葉にしていきたいと思う。

では、この辺で私の1回目のエッセイは終わりとします。背中を押してくれる言葉や小説と共に明日からも社会で頑張りましょう!

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このエッセイを書いた人

社会人1年生。フェミニズム/ 韓国カルチャー/ 本
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