「弱者男性」という言葉が出回るようになったのはいつだろう。
と思って調べてみたら2010年代からとのことらしい。
「KKO(キモくて金のないおっさん)」は知らなかったけど「チー牛」は知ってた。
ネット掲示板のまとめとか見てたら出てきて知った気がする。
弱者男性(じゃくしゃだんせい)とは、独身・貧困・障害など弱者になる要素を備えた男性のことである。女性は負け組の弱者男性を積極的にケアすべきだという主張がなされることもある
Wikipedia『弱者男性』より
この定義を知った時、私は恐ろしかった。
パートナーの有無で強者か弱者が決まる男性の世界が恐ろしいよねっていう面と、パートナーという存在の扱い方。
私は今「パートナー」と表現したけど、多分「弱者男性」とみなされるのは「彼女がいない男性」とか「妻がいない男性」なんだろうと思う。
つまり「自分の女を所有していない男性」。
(敢えて「所有」という表現にしています。)
まず、その「弱者」って恋愛弱者の意味なの?って思ったし、女性は男性に翼を授けて「弱者」から脱するためのレッドブル的アイテムなの?とも思った。
「弱者男性」の話はアンチフェミニズムとして、カウンター攻撃に使われることがままある気がする。(といっても主にネットの世界でな気もするが……。)
「独身の男性」が弱者になる社会がおかしいのに「女をあてがえ論」になる構造がグロテスクだと思う。
何故、女性のパートナーがいない男性や女性にモテない男性が弱者扱いになるのか。それは弱者なのか?
負の感情の矛先が上昇婚したがる女性へと向くのは何故なのか?
「弱者男性」への差別があることは想像ができるが、貧困や障害へのサポートが十分でないならそれについての怨嗟はないのか?
男性が作り上げた男性の神話はたくさんある。
モテる男が良い男、美人な妻がいる男が良い男、妻子を養っている男が良い男、稼ぎが良い男が良い男。
だけど結婚は墓場らしいし、妻子を養ってるとATM扱いされていると不満をぶつける。
男が作った男の神話に「嘘だ!」と文句をつける、その彼らの攻撃対象は女なのだ。
「トロフィーワイフ」だの「女性は添え物」だの「刺身のツマ」として扱うくせに、都合の良い時だけレッドブル的なアイテムとして神話的な役割を期待してくる。(めちゃくちゃ名前出してるけど勿論レッドブルは何も悪くない。)
自分たちで作り上げた神話に自分たちで憤慨している謎の構造に早く気付いて欲しい。
立ち上がるべき方向を見誤らないで欲しい。
女性にヘイトの火炎放射器ぶっ放してもその「生きづらさ」は無くならない。
女性を人生一発逆転のためのアイテム扱いしないで欲しい、と切に願う。