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ほしいろといき
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ジェンダー視点で見る”日プ女子”

目次

はじめに

皆さん、オーディション番組って見たことありますか。
見ない人は全く見ないと思いますが、「どんな人が勝ち残るか」という意味では、私たちが望むものが反映されています。
特に、視聴者投票があるスタイルだと、視聴者の意向が直接反映されるため、一種の世論調査のようなものと言えるでしょう。

今回、扱うのは先日、放送が終わったばかりのガールズグループオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』です。応募総数約14000人の中から101人の練習生が選ばれ、歌、ダンス、ラップのパフォーマンスで競い合い、視聴者投票によって人気を得た上位11人がアイドルグループとしてデビューしました。

視聴者…日本国民が望んだ女性アイドル像、女性像とは何だったのでしょうか。

※当サイトはエンタメ情報サイトではありません。ジェンダーなど社会的要素だけを扱います。

番組のルーツから説明します。

元々は、PRODUCE 101 という韓国の番組がルーツになっています。シーズン1ではガールズグループ向け、シーズン2ではボーイズグループ向け、シーズン3ではまたガールズグループ向けに戻って、シーズン4はまたボーイズグループ向け。

その日本版となるのが『PRODUCE 101 JAPAN』です。シーズン1とシーズン2は連続してボーイズグループ向けで、今回のシーズン3で初めてガールズグループ向けになりました。

韓国版がガールズ→ボーイズと交互にやったのに対して、日本版はボーイズ→ボーイズ→ガールズの順番です。なぜこうなったのかはわかりません。ジェンダー平等で行くならシーズン4も連続してガールズになるのでしょうか(笑)  わりとマジメな話でして、というのも、シーズン4でまたボーイズに戻るなら、4つのシーズンのうち3つもボーイズ、1つだけガールズとなり、偏っている感はあります。そこまで気にする人もいないでしょうが、ともかくこういう状況です。「とりあえず男性向けが標準になっている」というよくある話ですね。

今回のシーズン3である『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』は、公式の略称は”日プガールズ”ですが定着してませんので、ここでは定着している”日プ女子”を使います。「日プガールズ」はさすがにださいですし、直訳すれば「少女」なのでしょうが幼いイメージすぎて違う。それで「女子」という表現に落ち着いたのでしょう。

日本人向けについて

日プ女子を知って、まず最初に思ったのは、このご時世に「日本人」だけを対象にしたオーディションなのかぁっってことです。厳密に国籍指定してるわけではないでしょうが、事実上、日本人を対象にしたスタイルになっていました。インドネシア育ちの人は1人いたけど全くフォーカスされませんでした。近年、韓国のオーディション番組は参加者の国籍/民族の多様化が進んでいることを知っていたのでちょっとあれって思いました。

元になった韓国本家版はシーズン3の時点で、日韓対決のような様相になっていて、全96人のうち韓国人は50人以上、日本人は39人、一部に中国籍やアメリカ出身者もいました。さらに「中国版」シリーズでは中国人だけでなく日本人やアメリカ人、ウイグル民族などの少数民族も次々と登場しています。それどころかクィアな参加者すらいました。類似番組の『Girls Planet 999』では韓国人33人、中国人33人、日本人33人でしたし。

今年のオーディション番組でいえば、韓国で『R U Next?』が公開されました。韓国人だけでなく、日本人、タイ人、アメリカ系の韓国人がいて、デビューメンバーにも2ヶ国の人が含まれています。直近では同じく韓国で『UNIVERSE TICKET』が公開されました。韓国人が多いですが、カナダ人、オーストラリア人、ミャンマー人、タイ人、フランス人、ベトナム人、フィリピン人、イタリア人とやはり色んな国の人が参加しています。 それが番組の特徴になっています。

今年は他にもNizi Projectのアメリカ版にあたるオーディション番組『A2K』が公開されました。アメリカ人、韓国系アメリカ人、フランス系アメリカ人、カナダ人。肌の色からして非常に多様になっています。もちろん白人だけでなく黒人やラティーナ系に見える人もいました。アメリカを軸にした世界向けと思われる『The Debut: Dream Academy』も公開されまして、インド系アメリカ人や中国系アメリカ人(広東人)も参加していて、参加者が多様性について直接語るシーンもありました。

そして「日プ女子」です。
何かこう、先祖返りというか。韓国向けのオーディション番組では参加者の多様化が進んでいるし、アメリカ向け、世界向け、というふうにどんどん多様化が進んでいたので、一転して事実上の日本人向けなのはちょっと周回遅れに感じてしまいました。日本向けの番組なのだから日本育ちの日本人中心になるのは当然ですし、それは全く問題ありません。でも、「日本って今やっと”日本人女子版が始まった”という段階なんだな…」とは思いました。もちろん女子アイドル向けオーディション番組自体は小規模であればいくらでもありますが、一般向けの公開型で大規模なオーディション番組となると今はこの段階なんだなってことです。

「世界に羽ばたくガールズグループ」を目指しているそうなのですが、全員日本人でできるんでしょうか。もっと多様化を進めた方が良かったような気がします。

謙虚な日本人

ここから番組中の気になったことに触れていきます。

予告編(知らない人はこれを見ると雰囲気をつかみやすいかも)

最初に始まるのは、スタジオへの入場シーンです。大きなステージに対して、席が約100人分も用意されています。ライブ会場のようです。

参加者はどこの席に座ってもいいです。席には番号があって一番上の席は1番です。
1番になるくらい自信のある人は1番の席に座ることになります。
ところが、なかなか誰も1位の席に座りません。すごく謙虚です。
今回の特徴はこれです。
謙虚といえば聞こえはいいのですが、言い換えればみんな”自信がない”。

その後も番組中ずっと、参加者からは「自信がない」というフレーズが頻出します。日本人の謙虚さが表れてるようです。韓国人や中国人の出てる類似番組(Girls Planet 999等)ではもっと自信を持っている参加者が多いからです。とくに中国人は自信あるのが標準のようでしたからね。

メンタルはパフォーマンスに影響を与えます。自信あればパフォーマンスできるが、そうでなければできない。だから「自信」をどうやってつけるかが課題になります。

自信。

日本人、とくに日本人女性は「自信がない」ことで知られています。自己肯定感も低いです。そうした傾向性がここでも見て取れます。

4話では、実力派で自信のあるように見える櫻井美羽さんが悩んでしまいます。韓国で練習しながら生活をしていた櫻井さんは韓国基準のコミュニケーションに慣れてるのか、サバサバ系女子というかメンタル大人に見えます。そのせいで周りの参加者と意思疎通が上手くできません。周りの人は自分とは違うんだな、というふうに心を閉ざすことも。自信ある人ゆえの葛藤ですね。「自信のない人」だけでなく、ある側の人の悩みも伝えられている点でとてもいいシーンでした。

少し話はずれますが、そのシーンで、山本すずさんが「たまにキツイかなって言葉もあって。でも(櫻井)美羽ちゃんが悪気があって言ってなかったからこそ、グッとしていた部分があったから」と言います。それに対して櫻井さんは「それはほんとごめん、悪気ありなしに関わらずそれは私が悪いと思う」と返します。この返し方はすごいよ。政治家がよく「誤解を与えたとしたら申し訳ない」と意味不明な謝罪もどきをするけど、櫻井さんは全く逆で、「悪気ありなしに関わらず」「私が悪い」って言ってるの。政治家より格段に上の言葉を持っている。

自分で自分を分類するなよ 壊して見せろよ

参加者の入場と自己紹介が終わると、
J-POPやK-POPを使用したパフォーマンスが披露されます。
その中でも気になったパフォーマンスをいくつか紹介します。

最初に披露されたのはSEKAI NO OWARIの「Habit」です。

歌詞の「自分で自分を分類するなよ 壊して見せろよ」は強いメッセージ性ですよね。

何でこの選曲になったのかはわかりませんが、最初に典型的なアイドル曲を持ってこないのはちょっと意外です。

女は女らしくとか うるせぇんだよ

驚いたのは、Awichの「どれにしようかな」が使われたことです。

アイドルオーディションでこれ、選ぶっていうセンスよ。
歌詞が「見た目で don’t judge me 覆す常識 女は女らしくとか うるせぇんだよ shut the fuck up どれにしようかな nana na nana na」ってやつです。これは端的にいってフェミ的です。

視聴者の反応は心配でしたが、ここに反応する人は比較的少なかったです。

あのJ-POP問題は健在

最近トレンドになった曲が使用される一方で、2015年にリリースされた乃木坂46の「制服のマネキン」も歌われてます。
パフォーマンスは極めて素晴らしかったのですが、歌詞についてはジェンダーのサイトとしては承服し難いです。

恋をするのはいけないことか?
僕の両手に飛び込めよ
若過ぎる それだけで
大人に邪魔をさせない
<略>
どんな自分を守ってるのか?
純情の壁 壊すんだ
汚れなきものなんて
大人が求める幻想

成人男性が制服を来た女の子を誘ってるみたいで気持ち悪いです。
男性ファン層を狙ったのかもしれませんが、どうしたものかなと思ってしまいます。

ネットであえて言わない

参加者とは別に気になった人がいて、それは特別ゲストのちゃんみなさんです。容姿への誹謗中傷を受けた過去があって、そのことへの抗議をストレートに表現した楽曲「美人」が知られています。

番組では「美人」を歌う参加者にアドバイスする役割として登場します。

ちゃんみなさんは「自分の嫌だったことを、今だったらインターネットとかに言う機会あるじゃん。そういうのをあえて言わずに、全部音楽にしてやるって…グッて飲み込んでノートに書いた。家に呪いのノートみたいのいっぱいある(笑) 自分の心の安全にもなるし、それを私たちは音楽として消化してステージでパワーとして見せて、みんなに分かってもらうことができる。すごいラッキーな職種だと思ってる。だからみんなのリベンジだと思って。」と言っています。

これって、めっちゃわかるんです。
すぐネットとかで吐き出すのは一過性で終わっちゃうし、なんかださい。
そうじゃなくて自分が創る作品、コンテンツに落とし込んだ方がいいっていうね。

このシーンの反響は大きく、感動した視聴者もたくさんいたようです。

一人称は「オレ」

参加者の色んなパフォーマンスが披露されていく中で、際立っていたのが審査するトレーナーの仲宗根梨乃さんです。K-POPグループ「少女時代」の振付をしたレジェンド中のレジェンドの方です。

仲宗根さんは女性のようだけど一人称が「オレ」になっているんです。
これについて質問している数年前の動画があったので引用しておきます。

※6分30秒から該当発言あり。

仲宗根さんは「男になりたい時期があった。ぶりっ子な時代があって。毎日スカート、めっちゃ女の子だったんですけど、男の子にぶりっ子~って言われて傷ついて、そっから男になれば誰もオレを傷つけないって。男になれば自分のことをぶりっ子って呼ぶ人はいない。そうやらないと生きていけない自分がいた。そこを自分で受け入れて、今は女性としても誇りに思っている」と言っています。

この動画も発掘されて拡散されてました。それだけ共感する人が多いのでしょう。

こういう人が審査員、トレーナーにいてくれると、それだけで嬉しい気持ちになれそう。

酷使するダイエットは止めて

10話に登場したゲストにも触れておきましょう。
韓国本家のシリーズでデビューして、今はソロ活動をしているチェ・イェナさんとチョ・ユリさんです。いわば先輩ですね。
参加者が2人と相談するシーンがありました。

参加者は「私は食べることが一番好きなんですけど…」と言うとチェ・イェナさんは「私も!」とはっきり言って、参加者は「どうやって(体型)管理してますか?」と聞きます。そうするとチェ・イェナさんは「(食べるのは)これもうしょうがない」と明言。。その瞬間、おそらく日本人なのでしょうか…画面外の女性スタッフが「しょうがなくない」と発言に割り込みます。チェ・イェナさんはそっちを見て「そりゃ幸せが優先ですよ」と反論にもとれる言い方をします。

チョ・ユリさんは「体を酷使するほどのダイエットをしてる人がいたら止めてほしいです」「(私は)比較されたりしたけど気にせず自分のペースで」と答えてました。

このシーン、チェ・イェナさんとチョ・ユリさんの適切な回答がいいですね。あまり内容面で話題になったシーンではないのですが、こういう番組でこういう内容が放送されたのはとても良かったでしょう。

日本人は体型管理と聞くとすぐにダイエットって発想になるんだけど、それは1つの方法に過ぎません。ダンスをするならフィジーク(physique=体格)を強くするためにむしろ食う必要もあります。タンパク質・脂質・炭水化物のバランスですね。そのために体が小さくてか弱くもみえるK-POPアイドルが実はめちゃ鍛えてるわけです。櫻井美羽さんは週6で筋トレしてた時期があって腹筋のメニューが3つと有酸素運動も5つくらいメニューがあったそうです。

選曲の傾向、課題曲の歌詞

全体的にいうと、アップテンポのJ-POP、バラード系J-POP、かわいい系K-POP、ガールクラッシュK-POPが均等に選曲で選ばれている感じでした。

オーディション番組では、参加者が歌いたい曲、運営側が歌ってほしい曲、視聴者が見たい曲、というのを意識して制作されています。需要のないことはできないから。そういう意味では、アイドルオーディションにも関わらず、Awichの「どれにしようかな」とちゃんみなの「美人」のようなわりと強めの歌もある程度、入ってきてるのは「今」を表す傾向として注目しても良さそうです。

番組で初めて披露されたオリジナル課題曲の歌詞にも触れておきます。
韓国本家の過去シーズンではガールズグループ向け作られた歌詞の一部が「受け身すぎる」と指摘されたこともあります。
日本版の過去シーズンではボーイズグループ向けに作られた歌詞が「男性」っぽい表現に少し寄ってました。
さて今回はどうだったか。

『LEAP HIGH! ~明日へ、めいっぱい~』

ワクワクしたい? 私に任せなさい
ドキドキしてみたい? 手を繋ごうよ
---
私を見つけたこと
決して comin’ up in up higher 後悔させないわ
---
私に預けてみない?
君の comin’ up in up higher 雨上がる空
---
君と一緒だからどこまでも行こう
手を繋いで さあ今走り出すよ

ここでいう「君」とは視聴者のことです。
受け身というより一緒に頑張ろうみたいな方向性になってます。
ボーイズグループ向けだった過去シーズンと比べると「よ」「わ」表現は増えてますがかわいい系の楽曲だし、それほど違和感は感じないでしょう。でも「よ」はともかく「わ」って今、そんなに言うんでしょうか。

『TOXIC

虜になったの? あなたも?
なら行こう
Looking at me 静かに
Cuz I’m dope
恐れないで こっちにおいでよ
弱い自分に手を振るんだ
---
一瞬で貴方も中毒よ
拒めないくらいに
---
Uh 邪魔するもの捨てて
ミュートするの全て
常識など Kick down
可愛いI’m a Good Girl(Good Girl)
---
興味ない Fake fake fake
批判は簡単ね

これはガルクラっぽいですね。主導権が歌っている側にあるのがわかります。
作詞したRose BluemingさんのX投稿によると「弱い自分に手を振る」とあるように、「 ”強い女性” ではなく” 強くありたい・強くなろうとする女性” の姿を歌った曲だと思っています」なんだそうです。

『AtoZ』

コーヒーを持つ手も 揺れる前髪も
I feel you ドキドキしちゃって
仕草が その声が Yea Yea
ひとつひとつ数えたら
やっぱりキミにハマってる Yea

かわいい系の楽曲です。ずっとこの調子です。
とにかく「キミ」にハマってるらしいです。

『Popcorn』

揺れる想い混ぜ合わせて
Ya 自分好みで Made my day
踏み出して New world
---
想像超えていくこの種 (遠くへ)
どこまでも飛び跳ねるよ
風が追い越す日まで (Nonstop)
音のなる方へ (もう)

これは対人関係というより、舞い上がるような思いを歌っています。

『Baddie』

どんな役も”私”だと
演じきりたいの
On stage now!
誰に何を言われようと
So burning burning burning heart!!
---
愛されても嫌われても
かまわないわ
On stage now!
誰の色にも染まらない
---
I just do want I do
ルールに囚われない
弱さは見せない
Don’t be afraid
そのままありのままでbe all right

これはガルクラ感あります。強い表現ですね。

『&ME』

You&ME!
Follow me!
---
誰のでもない
しなやかな自分の羽で
今 力いっぱい飛んで行け

フォローしてほしいと言いながら「誰のでもない」と入れてくる辺りは能動的でいいかも。

『想像以上』

You & Me
君が待っているから
星のように Dress up ほら Make up
Always カラフルな 世界 へ
さぁ Come to me

作詞したRose BluemingさんのX投稿によると「それぞれが葛藤や悩み、涙した日々を乗り越え、夢の舞台へと一歩踏み出せば、そこはランウェイのように輝きだす。その一歩一歩が多くの人に勇気を与え、魅了していく。」なんだそうです。

『CHOPPY CHOPPY』

未知の世界で輝く大胆に Get it
自分らしく Shine on me

最近の流行りで「自分らしく」キーワードが入ってきてます。

『FLY UP SO HIGH』

Always! Make you positive
Always! Stand by your side
Na Na Na (Be The One)
Always! Make you happy
Always! to see your smile

ポジティブでいてほしいと言っています。

ガルクラ曲以外は、全体的に、「キミ」(たぶん視聴者のこと)と一緒に頑張ろうみたいな歌詞が多いです。無難にまとまってる感じです。受け身すぎるという批判はおそらく出ないでしょう。むしろ能動的な部分もあります。ディズニー映画の日本語訳っぽいというのが適切でしょうか。

こうなるともっと「キミ」も問われた方がいいのでは?と思ってしまいますね。歌ってる側が能動的なのは良いけど逆に「キミ」に頼られて依存されても困りますから。「キミ」に責任をもっと負わせた方が現実に即してます(笑)

よくよく読んでみるとロマンス要素は皆無です。あるようで実はない。避けてる形跡すらある。キミが「男性」を指してるのかも曖昧です。番組視聴者に女性ファン割合が多いことも意識されてそう。

「国民プロデューサー」に国民意識はあるか

そうこうしている内にオーディションは終わりました。
視聴者投票によって選ばれた上位11人がデビューすることになりました。
最初は約100人いたのだから90人くらい脱落したわけですね。

それはいいのですが、ところで、この番組では、投票する人のことを「国民プロデューサー」と呼んでいます。これってすごい謎言葉ですよね。普通、エンタメ番組の視聴者のことを「国民」って呼びますか?「国民の皆さん」って。政治家じゃないんだからさ。ありえないですよね。どうしてこの謎言葉が使用されているかというと、番組のルーツが韓国だからです。

韓国では「国民の〇〇」という言い方が定着しています。
「国民の妹」はIU、「国民の弟」はイ・スンギ、「国民の彼氏」はパク・ボゴム。「国民の初恋」は元Miss Aのスジ。
だから「国民プロデューサー」と呼んでも違和感はないです。

韓国人は国民意識が強いからこれでいいと考えるのでしょう。
日本人は国民意識なんてありませんから不自然に感じます。

こうなると疑問が思いつきます。
日本人は「国民プロデューサー」と言われても国民意識はありません、おそらく民族意識もありません。ではどういう意識で投票しているのでしょうか。

日本人は「この人が選ばれるべきだ」と考える時の前提となる共同体意識はどこから来ているのでしょうか。投票する時はどういうコモンセンスがあるんでしょうか。もしかしたら何も無いのかもしれない。

それも関係するのか…韓国ネットを見ると、デビュー後にグループを結成する時のチームワークやポジションについての議論が盛んと気づきます。こういうグループコンセプトでなければ、という思いを周りのコミュニティを意識しながら決めてそう。日本ネットではそういう議論の仕方はあまりないです。どちらかというと「自分の好きな人に投票する」だけです。「自分の好きなグループコンセプトにしてほしい」と願うだけ。エンタメ番組でありますし、アイドルオーディションなのだから、それでいいとも言えますが、国民性の違いもちょっとあるのかなと思いました。

女子高生票の台頭

ではどういう人が選ばれたのでしょうか。
「国民プロデューサー」の皆さんは何を望んだのでしょうか。

一言でいうと「事前に予想された通りの結果」で、大きな波乱はありませんでした。

番組開始前からファンダムを多く持っている人が最後まで強く、とくに下剋上のようなものはない、というオーディション番組としてはあまり面白くない結果です。

上位にはデビュー経験があったりと、元アイドルのような人が多い印象です。知名度も高く、以前からファンダムの票が多かったり。一部にはやや実力不足の人もいましたが、それでも押し切った形になります。しかしファンダムが存在しない韓国ネットでは実力不足の人は容赦なく酷評されてました。日本では「推し」文化が強く、実力はあまり問いません。韓国はそうではないので実力で評価する。そういう違いは表れてそうです。このことは今後、韓国でも活動するなら間違いなく課題になるでしょう。

実力派はある程度、生き残ってはいるんだけど、めっちゃ順位が高いわけではなかったということです。実力主義に否定的な日本のアイドル文化はかなり薄まったもののまだ健在のようです。

ただし、愛嬌だけで本当に実力が全然ない人はたぶん上位には1人もいません。さすがにそれは番組出場以前の審査段階で落ちてるはず。今もうそんな甘くない。いても時代遅れと思われたでしょう。

ポジション的には、ダンス強者より歌唱力強者が上位に来る傾向でした。女性の方が歌唱力リテラシーが高いイメージあるのでその反映なのかも。男性と違って女性は同性のグループにも惹かれるので、この番組も見て投票した女性も多かったと思われますから、女性の好みの方が反映された可能性もあります。

パンクな人やギャルな人は早々と脱落しました。個性派はわりと消えていったかな、と。この辺りは「ああ、やっぱり日本だなぁ」という感じでしょうか。これを残念がるネットの投稿は多く見ました。アーティストっぽい人は全般的に脱落気味でした。

総論的には、既存のファンダムがある人が生き残り、実力派はある程度は生き残るが、脱落した人も結構いる。愛嬌だけで実力を問わない時代は終了したが、個性派やアーティストっぽい人はあまり伸びない、という感じ。日本社会の現状のようです(笑)これが国民プロデューサーの皆さんが望んた女性アイドル像、あるいは女性像になりそうです。

しかし、新しい動きもありました。

番組終盤に入ると、一気に追い上げを見せた人がいます。
これはもう名前を書かないと伝わらないと思うので書いておきますけど、村上璃杏さんのことです。璃杏は「りのん」と読みます。

村上璃杏さんは途中まで順位があまり伸びませんでした。ところが終盤になる頃にはTikTokとインスタで人気が爆発、猛烈ないいね数と大量のリールが出回るようになりました。

大半の国民プロデューサーが想定していない事態です。
何が起きたのか。

その答えは女子高生の投票です。

従来、イメージされていたような番組視聴者とは全く違う、女子高生という新規参入者によって、既存ファンダムのない完全な新人の村上璃杏さんの順位が爆上げされたのです。

そんなことになっていたのか…! 新大久保の街角で現場調査をした人もいまして、やはり女子高生やそれに近い年齢層の女性の間で人気が高かったそうです。

今回のオーディションで、最大の番狂わせになりました。
ここです。ここは現状を貫く、新しい現象だった。すごかった。。

デビューメンバーが「表現したい自分に性別や性的指向なんて関係ない!」と書いてる※この項目はネタバレあり

さて、全体的にいえばそんな感じの何とも言えない雰囲気にも思えたオーディションですが、デビューメンバーについては気になった点も結構ありました。名前ネタバレありですので未見の人はご注意ください。

まず笠原桃奈さんについてですが、2024年1月8日に公開されたTikTok動画で「番組中に髪を短くした理由は?」の質問に対して、「私に対する固定概念を覆してやりたいという気持ちと、中性的なイメージが好きだから切りました」と答えています。笠原さんは以前から日本でアイドル活動していたので文字通り「日本のアイドル」でした。人によっては色んなイメージを持つと思います。それを覆すためでしょうか、笠原さんは髪を切ったということのようです。実際、スカートを履かずにボーイッシュな服装が多かったです。

笠原さんのようなスタイルをK-POPでは「ガールズクラッシュ」と言います。(古くて定型的な)女性像を破壊するという意味が含まれています。笠原さんは番組出演前に「アンジュルム メンバー オフィシャルブログ」で何度も言及してました。

私はBLACKPINKという韓国の女性アイドルグループがとても好きなのですが、その子も好きで、今渋谷109コラボしているので行ってきたんですよー!BLACKPINK さんはパフォーマンスが本当に本当にかっこよくて、一人一人のセンスやルックスも本当に素敵なので、純粋にファンでもあり同じアイドルとして憧れの存在でもあります!!

大好きな友達

※BLACKPINKは世界一有名なガールズクラッシュのK-POPグループです。

最近ずっと聴いたり見たりしている曲は、MAMAMOOさんの「HIP」です。MAMAMOOさんはKPOPアイドルなのですが、まさにガールクラッシャーという方々です。
今回の「HIP」は”あなたはあなたのままでもっと輝けるよ”という素晴らしいメッセージ込められていて、本当に素敵なんです!!

今年も成人誕生

※MAMAMOOは反ルッキズムで、フェミ色も強いK-POPグループです。

今日はITZYさんの音楽を聴いてました🤤
「WANNABE」と「DALLA DALLA」がまさにガールズクラッシュ!って感じですよね。

昼夜逆転

そういえば一昨日くらいにITZYさんの”WANNABE”のダンス覚えました!!😉
妹も私に影響されてkpopが好きなので、教えて欲しいって言われて二人でレッスンしました😂

HAHAHA

ガールズクラッシュで新しい女性像の表現に興味を示すだけでなく、かなり多くのジェンダーの話を残しています。

今日は、田村芽実さんも出演されている、ミュージカル『ジェイミー』を観劇させて頂きました。
表現したい自分に、性別や性的指向なんて関係ない!!と改めて感じました。
闘おうと生きようとすると、否定される事も心無い言葉を投げかけられる事もあるかもしれないけど、それでも在りたい自分を、自分の好きなものを見失わないで生きることができたら幸せなんだと思います。

ジェイミー!

この夏はとても好きになった映画「Call Me By Your Name」のプレイリストを聴いて過ごしていました。北イタリアの青く熱い夏が、本当に眩しくて、青春を感じます。切なくて美しい。

(笑)

※「ジェイミー」と「Call Me By Your Name」はLGBTQをテーマにした作品です。

年齢とか性別とか色々関係なく、対等に話してくれる人に、関わりたいと思えます。
分かってるようで何も分かってないような人とか、実はすごく分かっててくれてた人とか
色んな人がいますね🤔
難しいけど私が今好きな人たちは誰かの肯定感を下げたりしない人たち

黒でした

自己表現に決まった型などないから、性別とかそういう固定概念も関係ないと思います。
私は私と同じような悩みを抱える誰かが、どんな姿でも肯定してあげたい。
あなたが好きなように自分を表現して!って思います。

自己表現

色々と悩むことも考えることも増えたな
なんでもかんでも年齢とか性別とか関係ないと思うんですよ。それでなにもかも決めて欲しくないし、決めさせないくらい良い意味でもっとしっかりとした自分になりたいです。

思うこと

パールのアクセサリー可愛いですよね🐚
最近流行ってます
男女問わずつけてるとかわいいな〜て思います

色んなインフルエンサーの方を見てて、性別とか気にせず何より自分の好きな自分でいることの勇気、カッコよさみたいなのを姿から感じる人ってマジでいるし、マジでかっこいいなって思うんですよ

世界中日本中、性別とか年齢とか体型とか色々気にせず大好きな”自分”でいること、作ることを皆ができる、寛容的な環境であってほしい
メイクとか髪型とか服装とか立ち振る舞いとか、なにもかも!

メイクとか色んな話

性別や性的指向の多様性に寛容な姿勢が見て取れますね。

そういえば!っなんですが、笠原さんは番組中の「ポジションバトル」で、BLACKPINKのShut Downを選んでいました。「 Shut Down という曲が私はすごく好きで、一時期ダンスをずっと練習してたくらい好きな曲だった」そうです。
その時の、オリジナルに改変した歌詞部分では、

二分化される概念には本質なんてnothing
見かけ数字過去安易に追い求める、なんで?ナンセンス

と歌っています。
前段の「二分化される概念」は前後の文脈からすると意味が分からないんですよね。二分化って言葉、ここに入るのは変な感じがします。笠原さんが日頃から考えてることに由来する言葉の選定なのかもしれないですね(これは推測ですが)
後段は番組へのメタ的な言及でしょうけど「見かけ」っていうのは容姿だけで判断することへの批判っぽいですね。

冷静に考えてみると、最も得票を集めたデビューメンバーがジェンダーの多様性についてポジティブな姿勢を鮮明にしてるのってすごいと思いませんか。同性愛賛成だし、性別や性的指向は過度に囚われない。容姿や体型のルッキズムも止めろと。非常に先進的な考えの持ち主です。日本のグループでですよ?すごいっ。。

さらに興味深いことも書かれていたので引用しておきます。

私、これからダイエットしていきたいって思ってるんです!!
極端な食事制限などはせずに、間食をしないとか腹筋を鍛えるとかそういう事を頑張っていこうと思います!!

RH

ちゃんと健康に気を使って考えてる人やん。

時々国を変えたいとか世界変えたいとかとんでもない規模の空想を真剣にしたりするんですが、それは昔から今も変わらないようです笑笑
今はアイドルで世界変えたいな!!

生徒会長

いずれは日本社会を変えてくれるんでしょうか(笑

次に村上璃杏さんについて。「ポジションバトル」ではちゃんみなさんの「美人」を選んでいます。この時点で反ルッキズムであるとも言えますね。歌う前のシーンでこんなことを言っています。「自分がもっと強くなりたい。もっと上に行きたいという強い意志があるので強い女性をイメージして頑張りたい」。

さらにガールズクラッシュっぽい部分もあります。日プのX投稿に掲載された公式プロフィールによるとマイベストソングは(G)I-DLEのTOMBOYだそうです。(G)I-DLEはかなり攻めた楽曲が多く女性に人気が高いです。このTOMBOYも「あなたじゃ手に負えないよ 私は」「ブロンドのバービー人形を求めてた?ここにはいないよ、私は人形じゃないから」など強烈な歌詞です。

村上さんと仲良しケミの高見文寧さんは、日プのX投稿に掲載された公式プロフィールによるとマイベストソングはメーガン・トレイナーの「Me Too」だそうです。メーガン・トレイナーは女性エンパワの歌が多いです。「Me Too」はボディニュートラルの歌詞です。ボディニュートラルとは体型は個人の自由であり他人が指図することに反対するという意味です。高見さん、ボーカルがすごいだけじゃなくてそういうこともちゃんと考えてる!?人なのね。。

櫻井美羽さんは2023年12月16日配信の「祝!デビュー組決定!緊急生配信スペシャル」で髪型をどうするか質問された時に、「ITZYのリュジンさんみたいな。そういう感じのにしてみたい」と答えています。※ITZYはガールズクラッシュのK-POPグループ。

佐々木心菜さんも同じ配信で「私はすごい…かっこいい女性が好きなのでインナーをブルーとかシルバーとかそういう感じに」と答えてます。12月29日のインスタライブでは「かっこいい担当がしたい」発言も。

山本すずさんはTikToK動画で「どんな系統の衣装が好き?」と質問されて「自分はかっこいい系が好き」と答えてるし、加藤心さんはTikToK動画で「好きなファッションは?」と質問されて「メンズライクなのも好き。ガーリーなのも好き。強いて言えばカーゴパンツをよくはいてます」と答えています。清水恵子さんもポジションバトルで「美人」を選んでたし。わりとガールズクラッシュやかっこいい系もありなグループなようです。

こうやって、あらためて調べてみると、
メンバーにはかわいい系のIZ*ONEファンも多そうですが、
意外と攻めてるスタイルが好きな人も多そうですね!

ただ、こうしたバックグラウンドは番組ではほぼ全くフォーカスされていないため、視聴者が知った上で投票した可能性は低い、ということは留意しておきましょう。

脱落したメンバーにも、Awichにフォローされた髙畠百加さんや、世界から貧困を無くしたいとする山崎美月さんなどもいましたが、そうした社会的な要素は広くは知られていないでしょう。

SNSの問題

残念ながら全てが綺麗に進んだわけではないです。Xで参加者を誹謗中傷する動きが存在しました。内容の多くはゴシップや容姿に関するものです。どちらかというと女性のアカウントが多かったです。ごく一部の女性が同性間のコミュニケーションを楽しむ目的で参加者をネタに中傷していました。通常の検索には引っかからないように参加者の名前を伏せ字で書くのが特徴です。半ば内緒話のように中傷するやり口は女子間のいじめでよくある”コミュニケーション外し”を彷彿とさせます。1人だけチャットグループから外して仲間同士で陰口を言い合う方法と似てます。

特に悪質だったのが、Xに匿名でメッセージを送るツール「マシュマロ」を利用して、参加者を中傷した上に真偽不明のプライバシー暴露で楽しむアカウントです。あるアカウントは1万を超えるフォロワーがいて、Youtubeでライブ配信して何千人規模の囲いを作って扇動してました。その際に本人の姿も一部写っており、やはり若い女性でした。

もちろん男性が中傷することも多々あります。その場合はコミュニケーションを楽しむのではなく相手を中傷して傷つけるという明確な目的があります。伏せ字とかマシュマロのような回りくどい方法はむしろ相手に届かないのであまりやらないのかも。今回は全ての参加者がSNSを番組期間中は閉鎖してますし、Youtubeコメント欄もポジティブコメントばかりで多勢に無勢なのであまり可視化されなかったのもあるでしょう。

誹謗中傷する動きに対しては、運営が声明を発表するに至っています。


SNS上でのご意見やコメントの中には、残念ながら、一定の限度を超えた誹謗中傷、虚偽事実、それらの拡散行為があります。
<中略>
「匿名」を利用した誹謗中傷、虚偽事実や悪質な写真・動画のアップロード、そして悪意を持った拡散など、SNSによって国内外を問わず多くの人を傷つけ、また場合によっては最悪の事態を招きかねません。
弊社といたしましては、表現の自由の範囲内を超えていると判断される誹謗中傷や虚偽事実の拡散等につきましては、刑事告訴や被害届の提出を含む法的措置により、毅然とした対応を取って参りますことをここにお伝え申し上げます。

運営の対応は一応良かったと評価されています。

実際のところ、ほとんど全ての人は番組を普通に楽しんでいました。健全な方法で参加者を応援してました。上記のような悪質な人は全体のごく一部に過ぎません。

今回のオーディションは比較的平和に進行したと思います。それでも、SNSのコミュニケーションについては依然として考えさせられます。

私たちが望むのはアイドル?アーティスト?

当サイトの方針がジェンダーテーマだからジェンダーに関して取り上げたのであって、番組自体では、別にジェンダーについて直接触れているわけではないです。社会的な要素も扱われていません。何もありません。もちろん番組の論点ではないしエンタメ番組ですから当然ではあります。

それはわかってはいるのですが、わりと強めな楽曲が使われたり、ちゃんみなさんや仲宗根梨乃さんがいたり。デビューメンバーにガールズクラッシュ好きが何人もいたり。脱落した人も含めて、若年女性のリアルが見え隠れしてて面白かったのに、そういう社会的な要素が”フォーカスされそうでされない”という中途半端さはもったいないと思いました。社会性やアート性を強く押し出せないという大衆向けオーディション番組とそこで生まれるグループの限界でしょうか。

アイデンティティが外国に由来する参加者もいましたけど、番組では扱われませんでした。本人の意向にもよりますがそれも本来は避ける必要ないはずです。その国のネットではそれについて普通にポジティブに語られていますし、韓国本家のシーズン3では同じタイプの人が番組中でそのことを話してましたが何も問題視されてません。

せっかく社会性やアート性が強めな参加者がいても、フォーカスされることはないので、見てる側は愛嬌やお笑いエピソードに関心を持つ傾向になる。それが順位に反映されていたと思うし、それによってデビューと脱落は決まった。デビューメンバーはその二重性を抱えながらも深い部分は表に出さないで活動していく。純粋無垢が期待される「日本のアイドル」のように。

「アイドルを発掘する番組なのだから当然」と言う人もいるでしょうが、番組ではアイドルという呼称ではなくアーティストという呼称が多く使われていました。司会やトレーナーの方々も「アーティスト」の呼称を使っていました。おそらく意図的でしょう。今やアイドルとアーティストの境界は曖昧ですし使用を控えていたようです。番組も見てる側もその初期動機を忘れてしまったのか、わかりませんが、求めているものがアイドルかアーティストか結論を出しそびれてながら最終回を迎えた印象です。あえて言えば、こういう曖昧さこそが今の日本で求められていた女性像あるいは女性アイドル像の現在地ってことでしょうか。

グループのメンバーが数年後にソロ活動でアート性を表現するのはよくあるので期待したいですがそれにしても先の長い話になってきますよね。

デビューメンバーが人気ガールズグループになれば、人々のあこがれを写す鏡にもなります。望む望まぬにかかわらず私たちの生活世界と互いに影響され合います。願わくば今の時代にふさわしい、新しいものが生まれることを望みたいです。

余談

これを書いた人が応援してたのは、小田有葉さんと川畑蘭華さんです。

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このエッセイを書いた人

好きなアーティストは、움직여라 ! ! 프페랜드、Tachyon Z、NEKIRU、QWER、VCHA、UNIS、Melanie Martinez、チェゴチャンネル

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