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ほしいろといき
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ストキャバ(ストリートキャバクラ)

 女性が男性に使うとモテるとされる「さしすせそ」がある。「さすが」「知らなかった」「すごい」「センスよい」「そうなんだ」という言葉を使おうというモテテク。今これを読んでるの多くの人は知っていると思う。そして、自明的に唾棄すべきものだと考えていると思う。私も軌を一にしている。

 さて、女性はケアとしばしば結び付けられる。すなわち、ケア要員であることが女性へのジェンダー規範として存在してる。そして、規範なるものは、公私ともに(ハード面ソフト面ともに)個々人や集団を方向づける。ケア職や対人援助職に女性が多いという職業上のものに加えて、日常的な“ふるまい”として人を方向づける。抑圧する。

 その象徴が上記のモテテクだろうと思う。このモテテクが最近俎上に載った(いわゆる「炎上」した)のは、女児向けの書籍でこれが女児向けに推奨されていることに端を発している。このように、ジェンダー規範(ひいてはあらゆる規範)は、教育され内面化され再生産される。

 女性に付されるケア規範に漬け込む「男性」が大量にいる(し、私も無意識につねにすでにそうしている)。その好例がいわば「ストリートキャバクラ」だと思う。すなわち、パブリックスペースで女性に「さしすせそ」させるおじさんのふるまいだ。

 例えば、業務中の「女性」の図書館職員に対して延々と(ほぼ必ず大声で)俺の話をし続ける。発話中にも発話後にも間はなく、間隙を突いて「そうなんですね」か「すごいですね」を言う係になる職員。来館者が貸出口に複数人並ぶ。苦笑を湛えて目配せして、他の職員が貸出に対応する。続く俺の話。

 このようなことがあらゆる公共空間で起こる。仕事(公的な役割)の隙を縫って起こる。無意識的に、職責にかこつけてジェンダー規範を強いる。そんなつもりはなく、強いる。

 話長いんだよ、わきまえようよ。

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このエッセイを書いた人

理不尽さについて聴く、書く、考える、話すことができたらと思う|フェミニズム、セクマイ、ジェンダー、ハラスメントなどなど

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